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昆虫の心臓,背脈管を観察しよう

  • 昆虫の心臓,背脈管を観察しよう

材料

アゲハやカブトムシの幼虫 虫めがね

内容

・アゲハやカブトムシの幼虫を観察する。
・幼虫の背面を見る。
・背脈管が脈動していることが分かる。

詳細

昆虫は,私たちと同様に,生きていくために空気や栄養分を必要としています。ただ,空気や栄養分を取り入れる仕組みは,私たちとずいぶん違います。 栄養分を含んだ体液を全身に送り出すのは,ポンプのような心臓ではありません。肺脈管という細い管状の器官です。腹部の筋肉を収縮することで,体液を後方から前方へと送り出しています。その様子は,成虫では見にくいのですが,幼虫だと,見やすいものがあります。 まず,アゲハの幼虫を観察してみましょう。緑の体の節の部分が,半透明になっています。体を動かすたびに,狭いその部分に黒っぽい筋が見えます。これが背脈管です。ほんの一部分しか見えないので,存在はなんとか確認できますが,様子はよく分かりません。 カブトムシの幼虫は,サイズが大きいだけでなく,体全体が黄白色です。そのため,体内の色が濃い部分の様子が,透けて見えやすくなっています。特に背の部分の透明度が高く,そこにある背脈管の様子は,とても見やすくなっています。 背脈管は,腹部背面後方に大きな袋状の部分があり,そこから頭部に向かって背脈管が伸びています。いわゆる心臓はないのですが,明らかに脈動しています。腹部の方から頭部の方に向かって,絞り上げるように体液が移動している様子を,ダイナミックに見ることができます。 昆虫の場合,人間のように体中に血管が張り巡らされていません。体液は背脈管で後方から前方へ送られ,体の各部分の細胞の隙間に流れ込んでいきます。そして,心門(管の横にある体液が吸い込まれる器官)から背脈管へ戻り,再び前方へ送り出されるという仕組みになっています。 体液が規則正しく送り出されている様子を見ていると,当たり前のことながら,生きていくためには,酸素や養分が絶え間なく体中に送り届けられる必要があることを実感できると思います。

基本情報

分野 分野2 育てたいもの 管理番号 季節 場所 難易度 危険度
生物 生理学 探究心 866 春秋冬
春秋冬
室内;山;
室内 山
普通
普通
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