葉っぱ鉄砲を鳴らそう

「葉っぱ鉄砲」は，弾が飛ぶ鉄砲ではありません。葉を叩くと，「パーン」と予想以上に大きな音が出るので，鉄砲という呼び名がついた遊びです。よく知られているのは「クズの葉鉄砲」です。 音の出し方は，まず，利き手の反対の手で少し小さめの輪（人差し指の先を親指の第一関節に付ける）を作ります。その上に，輪をすっぽり覆い隠すような大きさの葉をのせます。葉は，柔らかい（＝破れやすい）ものを選びます。肉厚や葉脈がしっかりしている葉は適しません。そんな条件を兼ね備えているのがクズの葉です。最後に，手のひらを上から手の輪に勢い良く叩きつけます。イメージとして，手のひらを平らではなく，少し山形（凸）にしておきます。そして，叩きつけた瞬間，手のひらで隙間なく手の輪を覆うと同時に，手のひらを平らにします。このときに発生する空気圧が手の輪から抜けるとき，一気に葉を破るので，大きな音が発生して葉には穴が開きます。これが「クズの葉鉄砲」です。 新緑の季節，葉は柔らかいものが多く，いろいろな葉で「葉っぱ鉄砲」を楽しむことができます。サクラ，アジサイ，カキなどは，若葉でないと硬くて音は出ません。カツラなどは比較的大きくて柔らかいので，適した材料です。 薄くて破れやすいものと言えば，トイレットペーパー・ティッシュ，半紙・新聞紙。これらでもトライしてみましたが，手が痛くなるだけでした。しかし，これらに霧吹きをして濡らします。すると，手の輪への密着性が高まるうえに破れやすくなるので，音を出すことができました。ただ，前の２種は柔らかすぎるので，穴は空きますが音はあまり出ません。後の２種は，そこそこ音が出ましたが，若葉のような音の大きさと爽快感を味わうことはできませんでした。 この「葉っぱ鉄砲」の仕組みを利用したアメリカのおもちゃ「BIG BANG ROCKET」があります。音を出す元は新聞紙（水で濡らさない）です。ロケットの上部はゴムのカップになっています。そこに古新聞紙を空気漏れしないよう，きちんと挟み込みます。この状態で高く投げ上げます。落ちてくるときに，ゴプカップの部分が下になって地面に激突します。すると，カップ内の空気が一気に圧縮され，その圧で新聞紙が破れます。新聞紙は葉よりも硬いので，とても大きな音が出るという仕組みです。 関連実験（あわせて、こちらもどうぞ） クズの芽を食べよう