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光と生物1  レタスは赤色がお好き?

 光と生物1  レタスは赤色がお好き?

 光と生物と言えば多くの人は光合成をまず思い浮かべることでしょう。

 これは同化色素が光エネルギーを吸収し水と二酸化炭素から有機物を合成することです。光を吸収する同化色素は葉緑素(クロロフィル)だと思われていますが、実際には他のいろいろな色素も関わっています。また、光は芽や葉の屈光性、イワタバコ、マツヨイグサなど多くの野生植物の光発芽、花芽の分化、休眠、落葉などにも広く関わっています。作用する光の量や質はそれぞれ異なります。光合成のクロロフィルの最大吸収は赤色部(720n m)で連続した光によって反応が起こります。光発芽の光受容体であるフィトクロムは、短時間でしかも弱い光でも反応が起こります。ちょうど電気のスイッチのようなもので、ONおよびOFFの切り替えは光の強弱には関係ありません。赤色光吸収型(724nm)と近赤外光吸収型(664nm)に可逆的に短時間で変化し、スイッチが入ったり切れたりします。つまり、例えば光発芽のレタスの種子に短時間でも赤色の光を当てるとスイッチが入り発芽するようになりますが、赤色光を照射し、そのすぐ後に近赤外光を当てるとスイッチが切れ発芽しなくなります。

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