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歌う犬   あぁ、勘違い

歌う犬   あぁ、勘違い

 飼い主のピアノ伴奏に合わせて歌うイヌがいます。確かに歌っているように見え、飼い主にすれば「なんてお利口な子なんでしょう、家の子は・・」と自慢の一つもしたくなります。

 イヌ科のオオカミは遠く離れた仲間に遠吠えで「おーい、集まれ。狩りに行くぞ」と伝えます。遠吠えは“どこの群れのどのオオカミ”か特定できるので、仲間でないものは返事もしません。ですから、お互いの群れが喧嘩をせずに距離を保つ効果もあります。このような習性はイヌにも残っています。中には救急車などのサイレンの音に一生懸命返事をするイヌもいます。これは、その音の周波数が仲間の遠吠えと同じ高さだからです。人に飼われているイヌに遠吠えの必要はなさそうですが、リーダーの遠吠えの声が聞こえれば、これに全力で応えます。そうです、お分かりになりましたか?つまり、イヌにとっては飼い主の歌声やピアノの音はリーダーの遠吠えなのです。ご機嫌で歌っているように見える、飼い主の自慢のイヌたちは、実は、飼い主の歌を遠吠えと勘違いして「ここですよーっ。集合場所はどこですかぁ」と声を張り上げているのです。お疲れさま。  Ane

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