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しっぽを巻く  イヌの世界のエチケット

しっぽを巻く  イヌの世界のエチケット

 「尻尾(しっぽ)を巻く」と言えば、負けたことを認める態度を意味しますが、イヌの場合は文字通りシッポをまるめることです。イヌがシッポをまるめるのは、恐怖や不安、服従などを示すときです。けれども、恐怖や不安を感じると、どうしてシッポをまるめるのでしょう。

 実は、イヌのこの行動には臭いが関係しています。シッポを後ろ足の間に入れることで、肛門腺を塞ぎ、自分の臭いを消そうとしているのです。人間が、不安を感じたり自信がなかったりするときに、(他人には誰だかわからないように)顔を伏せるのに似ています。2頭のイヌが出合うとシッポを高く上げ、お互いに臭いを嗅ぐ動作をします。そして相手が強いと感じると、途端にシッポをまるめてしまいます。臭いの確認動作はイヌ同士の挨拶とも言えますが、相手の強さだけでなく、相手がオスかメスかなどの情報も、この動作で得ます。人間のように一目瞭然で「素敵な異性」を判別するのではありません。また、このときお尻やシッポを咬むのは重大なマナー違反です。イヌの社交界から追放されるか、猛反撃の憂き目に合うことでしょう。          Ane

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