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学校の植物・動物  昔の飼育栽培は人の暮らしに利用するもの

学校の植物・動物  昔の飼育栽培は人の暮らしに利用するもの

 私が小学校を思い浮かべるとき、校舎とともに浮かんでくるのは中庭の小さな白樺林と校庭に一列に並んで植えられていたポプラの木です。ポプラの落ち葉を拾い、葉柄で草相撲をして遊んだものです。

 私の小学校では、ヤギ、ブタ、ウサギ、ニワトリなどを飼育していました。当時、ウサギは軍用の防寒具として供出する毛皮と食用の肉を得るため、ヤギは乳を搾るために飼育されていました。乳の出ないオスの子ヤギは処分されました。飼育する動物を食用としていのちを奪う時には可哀想という気持ちはありましたが、それを当たり前の現実として受け入れていました。動物愛護の教育はありませんでした。
 
 最近の子どもに学校で草引きをさせると「雑草が可哀想」と言う子どもが結構いるそうです。私たちの子ども時代には、作物と雑草をはっきり区別する価値観が生活に根付き、農作物の害虫や害獣などは駆除するものという文化がありました。植物も動物も人の暮らしに利用するものとそうでないものという一点で考えることができた時代は、単純で分かりやすい時代でした。

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