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「あたらしい」と「うつくしいです」  お墨付きをもらった言葉

「あたらしい」と「うつくしいです」  お墨付きをもらった言葉

 「テレビが見れる」という表現に違和感を覚える人は少なくなりました。「見れる」が「ら抜き表現」で本来は「見られる」だと知りつつも、年寄り扱いされそうで訂正ができません。言葉が本業のアナウンサーやキャスターさえも「見れる」を連発します。教員も研究会で「いい授業が見れてうれしいです」とやり、「言い方がおかしいですよ」と咎める年配者も皆無となりました。

 新しい(あたらしい)という言葉があります。「新た」と書くと「あらた」です。つまり、「あたらしい」は「あらたしい」の誤読なのです。でもそれが一般に広まって辞書にまで載ると、もう誰も誤読だとは思いません。立派な日本語「あたらしい」はそのまま通用します。ところが「うつくしいです」は明らかな文法間違いです。「うつくしい」という「シク活用」の形容詞を丁寧に表記するには「うつくしく」に「あります」と加えます。したがって、「うつくしくあります」が正しく、「うつくしゅうございます」でも可です。ただ、このような言い回しは歌舞伎か時代劇の世界でしか用いられません。「うつくしいです」で十分敬語となっている現状があります。            koke

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