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メロンは野菜か果物か? 答えは一つでないほうがよい

メロンは野菜か果物か? 答えは一つでないほうがよい

 メロンが野菜か果物か、あるいはバナナは野菜か果物か、私たちが認識していないだけで、決まりごととして「〇〇は果物」「△△は野菜」とあるものだと思っている人も多いでしょう。ところが、答えは一つではありません。学問的な分類にあたっては一応の決まりごとがありますが、経済性などの別の視点でその分類が異なることは先ほどお話しました。

 果物や野菜の分類に限らず、立場や環境の違いで、同じものの位置づけが異なることは、日常に溢れています。すべてがくっきりと明確な線引きができるわけもないのですが、人は何かと分類をしたがるものです。みなさんも知らず知らず線引きをして自分なりの狭い定義に当てはめることがあるはずです。どうやら、そのような分類をすることで(いろんな場合を想定して)脳を無駄に消費しないようにしているのではと勘ぐりたくなります。自分の価値観、それに基づく自分のやり方、決まったパターンがあると脳はずいぶん楽ですね。その都度、考えていると疲弊して・・・極度の緊張状態を終日強いられることになり、一日の終わりに興奮状態で眠れないかもしれません。けれども、狭い見識の中で怠け者の脳にしてしまうことは、とてももったいないことです。自分の価値観と異なる価値観に触れ、触発されて考えを深めることは心地のよいことです。これといった成果がなくても「聞く耳を持つ」柔軟な姿勢は、自分も周囲もやわらかくします。他者理解、異文化交流、共存などと硬い文字で難しく考えなくても、日常の暮らしの中でそれらの態度が身に付くのではと思います。

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