「バナナは野菜か果物か？」と問うTV番組があり、答えは「野菜とも果物とも言えない」でした。もう少し補足すると、初めは野菜ですが、やがて果物に変わると言うのです。番組では、生でそのまま食べられるもの、甘みがあり、苦みが感じられないものを果物、調理して食べるものを野菜と定義していました。
以前「メロンは野菜か果物か？」というテーマを授業で取り上げたことがあります。子どもの答えの中に、果物屋さんで売っているので果物だという答えがありました。メロンはたいてい果物屋で取り扱います。とりわけ、冬に出回るメロンは高価な値札をつけられ果物屋さんの看板商品になります。ところが、路地栽培する時期になり安く出回り始めると、八百屋さんでも売られるようになります。この場合は、メロンが野菜か果物かを決める因子は経済性です。つまり、メロンは売値が安いと野菜になり、売値が高いときは果物になるということです。
農学の基準では、木本植物に実をつけると果物、草本類に実をつけると野菜と定義します。この分類ではバナナは果物、メロンは野菜です。答えは一つではないのです。
